愛する家族 ペットのお墓

家族のように一緒に暮らしていたペットが亡くなったとき、自分たちと同じように葬り、同じように供養したいと考えるのは自然なことです。けれども、ペットを供養することが一般的になったのは、それほど昔のことではありません。

今回は、ペットの供養についてお伝えしようと思います。

動物葬の歴史

ペットのお墓として、日本全国に動物霊園があります。また、お寺などの宗教施設にもペットの供養ができるところがたくさんあります。このようにペットをわたしたち人間と同じように火葬してお墓に入れるようになったのは、いつごろからでしょうか?
日本では、昭和20年代に最初の動物霊園ができたといわれています。人間社会に貢献した警察犬や盲導犬などが主だったようです。しかしそれ以前から、寺院を中心にして農耕の家畜を供養したり、一部の檀家や信徒のペットのお墓を作ったりということはありました。とはいえペットを想う気持ちはあっても、なかなか一般の人が供養を行なうのは難しかったようです。
動物霊園ができたことで、檀家や信徒でなくても動物葬が行なわれるようになりました。徐々に家庭のペットを人間のように弔いたいという方が増え、現在のようにペットのお墓が広まっていきました。
さて、それより昔は本当にペット葬がなかったのでしょうか? 日本では江戸時代に犬をお墓に入れて弔ったという記録が残っています。また、ずいぶんと昔のことですが、古代エジプト時代の遺跡から、お墓に入った猫のミイラが発見されています。古代エジプト時代といえば猫類の動物が神格化されていましたから、今でいうペットを埋葬するのとは少し違い、儀式としての意味合いもあったかもしれません。これが現在のところ、最も古い動物葬といえます。

ところで「火葬」って?

現在、ひとが亡くなると火葬にいたします。ペット葬でも同じように火葬にしてお墓に入れる場合がほとんどです。以前は亡くなったペットをお庭などに埋めて手製のお墓を作られた方も多かったのではないでしょうか? しかし田舎などでご自宅に焼却炉がある場合、そこで燃やしていたという話も聞きます。ただ燃やすのと「火葬」、いったい何が違うのでしょう?
実は火葬には定義があり、日本では「お骨を取るために遺体を焼くこと」を火葬といいます。単に焼却して埋めても、それは火葬して埋葬したことにはならないのです。お骨を取るためにきちんと火葬をし、そしてお墓に入れることで供養がはじまるといえるでしょう。

常在寺にもペットのお墓「六季の庭(むつきのにわ)」がございます。大切なペットの納骨、供養を行なうことができますし、一年中いつでも会うことができます。ペットの供養のことでお迷いのことがございましたら、どんなことでもお尋ねいただければと思います。

六季の庭(むつきのにわ)