【お盆】盆踊りのはじまりは、死者との交流だった?

夏になると、全国で盆踊り大会が開かれます。

お寺の境内や、学校の校庭、地域の広場に皆で集まって踊ります。屋台なんかも出て、とても楽しいですよね。

でも、この盆踊り、もともとは亡くなった方の霊を慰める、大切な行事でした。

今回は、盆踊りについてご説明します。

亡くなった人と一緒に踊る行事だった?

新潟県にある神社に、盆踊りの様子が描かれた、江戸時代の絵馬があります。

そこには、仮装姿の人々が、盆踊りを踊っている姿があります。

中には、黒い布のようなものを頭に被って踊っている人々もいます。

実は、この人たちは亡くなった人の霊、すなわち異界の人を表していると言われています。

盆踊りにはもともと、お盆でこの世に戻ってきた先祖の霊をおもてなしするという役割がありました。

盆棚にお料理をお供えしたり、踊りを踊ったりして、おもてなしをする。そうすることで、満足して、あの世に帰ってもらおうというわけです。

こうした行事に、念仏踊り(ねんぶつおどり。念仏を唱えながら踊る、日本の伝統芸能にもいろいろな影響を与えていると言われています)の要素などが加わって、今のような形になったと考えられています。

全国各地に残る、盆踊り

日本の各地に、その地域特有の盆踊りが残っています。

大きなものでは、日本三大盆踊りと呼ばれる、秋田の「西馬音内盆踊り(にしもないぼんおどり)」、岐阜の「郡上踊り(ぐじょうおどり)」、徳島の「阿波踊り(あわおどり)」があります。

このほかにも、大小ざまざまな盆踊りが行なわれています。

ちなみに、東京の盆踊りには、古い歴史のあるものはあまり残っていないようです。

というのも、江戸時代、幕府の治安対策によって盆踊りを盛んにすることはできなかったということに由来しているようです。